問題解決 お役立ちコラム

集客戦略ホームページPart 4

差別化で選ばれる仕組みづくり

ターゲットを優良顧客に変えていく

WEBによるブランディングデザイン

集客のためのHP作りにおいては「言葉の選び方」の良し悪しが勝負を決するポイントになるので、この「集客戦略ホームページ」のシリーズではSEOライティングと、CVライティングについて重点的に解説してきました。しかしながら「言葉」によるコミュニケーションを中心とした「SEO施策」や「コンテンツ施策」だけでは、情報過多のネット環境下で伝えたいことがターゲットにすんなりとインプットされなかったり、良いイメージで定着されなかったりする恐れがあります。
そこで筆者は、言語中枢をもつ左脳にロジックで働きかけると同時に、空間認知や感性分野を司る右脳に良いイメージを伝える非言語コミュニケーションと合わせて「独自の世界観」を作り上げていく「WEBブランディングデザイン」を推奨しています。
その企業なり商品なりの「魅力」と「らしさ」をデザインのチカラによって最大限に表現することによって、競合と差別化し好意度を高めていこうという施策です。
このWEBブランディングで大切なのは、「らしさ」を送り手発想で主張するのではなく、来訪者にとってのニーズへの対応と居心地の良さを大切に「商品価値」を上手に伝えていくという考え方です。それにより、自社商品への理解を深め、Preference(好意度)を醸成していくことを目指します。

1.自社商品・サービスのブランド価値を設計する

ブランド価値とは、企業や商品・サービスが顧客から評価され、顧客の頭の中に形成される価値です。商品が評価されるためには本来、購買を伴い、「体験」を通じて感動や確信を重ねていくプロセスが重要になりますが、WEBブランディングにおいては自社サイトにやってきた「成約に至る前のターゲット」に

  • 1)その商品のもつ「志」つまり存在理由やパーパス
  • 2)その商品を購入したからこそ得られる「輝く自分(顧客自身)」のイメージ
  • 3)その商品ならではの「共感性」つまり魅力あるエピソードやファン層

などを多層的に伝え、ウェブサイト内での「言語および非言語コミュニケーションの総和」によって潜在顧客の頭の中に価値を形成していきます。

図は、コトラー博士の3層モデルに着想を得て筆者がよく使っている商品の「ブランド価値を構成する3層モデル」の例です(扱う商品やサービスによってアレンジの仕方は変わります)。

中心となる「本質価値」=ベネフィット・基本性能の周りに、「周辺価値」=商品特性を構成する付帯機能や、使いやすさや質感、商品そのもののデザイン性や、サービス・保証などを置き、さらにその周りに「情報価値」=商品にまつわる魅力的なエピソード、著名人などのファン層のイメージ、パッケージデザイン、売り場のイメージ、機能の拡張性(購入後に価値を高める情報)、生産・製造者に対する信頼性など、その商品を成り立たせ、支えているものを配置して、全体のブランド価値を設計します。
その上で、WEBサイトの中で、それぞれの価値に優先順位をつけて上手に伝えていきます。

2.自社が勝っているところと、他社と違うところを明確にする

競合の厳しい状況のなかで選ばれるためのブランディングデザインの基本は、「差異化」にあります。ここで述べるデザイン思考では、視覚的な要素が大きくなるものの、上記のようなさまざまなブランド価値をいかにして伝えていくのか…… アート寄りの自由な発想からのアプローチよりも、きちんとした価値設計に基づいたクリエイティブ表現が重要になります。
筆者の場合は、最初に上記のブランド価値を設定し、その中から「強い訴求ポイント」を設計図に落し込んでいきます。商品のクオリティが上がり似たような商品がひしめき合っている現代のマーケットにおいては、ほとんどのケースで「中心となる本質価値」だけでは戦えません。
周辺価値や情報価値の中から「明らかに競合より強いところ」と「他社と違うところ」を見い出し、ストーリーに仕立てていく必要があります。こうした一連の組み立て作業こそが、ブランディングデザインの肝になります。

3.ターゲットにとって心地よく、他にない「世界観」を描く

前のブロック2で、ブランディングデザインでは「アート寄りの自由な発想からのアプローチよりも…」と述べましたが、これはアート性の否定ではなく、「アート的なセンス」も価値設計上の要素になる、という意味です。
デザインの世界では「トーン&マナー」という言葉が頻繁に使われます。トーンとは調子のこと。オーディオや楽器でトーンといえば音色を表しますが、WEBデザインでは色調や、フォントや、アイコンなどの素材、文字バランスや余白、画像、イラスト、動き、サウンドなどさまざまなエレメントと、その組み合わせによって描き出される「らしさ=世界観」です。
マナーは、それらのイメージを統合し、ある一定幅のルールに基づき「らしさ」を描き続ける枠組みのこと。トーンを決めマナーを設定しておくことで、複数のクリエイターが関わるWEB制作の現場においても、そのブランドの世界観が統一されることになります。
自社サイトにやってきたターゲットを、ファーストインプレッションでつかみ、その企業、商品、サービス独自の世界観の中でブランド価値を伝え、好意度を醸成していく…… 集客戦略ホームページにおけるデザインの役割りは、「言葉」と並び、極めて大きいといえます。

問題解決 お役立ちコラムとは

VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれる現代においては、想定外のことが次々に起こり、ビジネスの現場でも噴出する問題に対処しながら、仕事を進めていかなくてはなりません。
そうした際に発想のヒントとして少しでもお役に立てるよう、コミュニケーションデザインの最前線で35年以上戦っている筆者が、マーケティングに関わるさまざまな問題・課題の解決策についてまとめたコラムです。

監修 杉山 信一

エーディープラント株式会社 代表取締役、早稲田大学商学部卒、広告クリエイティブ業界歴35年以上、WEB業界歴10年以上。マーケティング&ブランディングコンサルタント、クリエイティブディレクター。