問題解決 お役立ちコラム

問題解決マーケティングPart 3

問題解決でマーケティング活動全体を
改善・進化させていく

変化対応型の問題解決マーケティングによって
ビジネスをどう継続・成長させていくのか

ここ数年で、世界は大きく動いています。予測不能な問題が次々と起こり、私たちのビジネス環境もめまぐるしく変化していきます。そうした際に求められるのが、変化に柔軟に対応し事業を継続、成長させていくための問題解決能力です。

このシリーズでは、マーケティングに問題解決の考え方を加え、その方法について解説しています。Part1では「問題解決におけるゴール設定の重要性と方法」について、Part2では「問題解決のゴールに到達するためのプロセスとステップ」について述べてきました。

ここまでは、一つの事象に対する問題解決という視点で解説してきましたが、今回は少し視座を高め、「問題解決でマーケティング活動全体を進化させる考え方」についてまとめたいと思います。

このコラムでお伝えしたいこと

  • 1. マーケティング全体を俯瞰して最重要な問題箇所をクリアし、次の問題へ
  • 2. 組織横断的に問題解決が図れる企業にとってはチャンスとなる
  • 3. 問題を解決した先にどうなりたいのか、を突き詰めて考える

マーケティング全体を俯瞰して問題箇所をクリアし、次の問題へ

マーケティングは、自社だけでなく顧客や競合や社会とのバランスの上に成り立つ、不確実な側面をもったサイクル活動です。従って、成功や繁栄を目指す過程でさまざまな問題が生じるのは、ごく当たり前の話しです。ましてやコロナ禍以降の世界は、それ以前と比べて、より予測の難しい時代に入ったといえるので、マーケティングに問題解決の考え方と手法を加え、成功への確度を高めていくことが重要だと考えています。

マーケティング活動全体で、成果を継続的に上げていくには
1)問題点を抽出する(問題は一つでなく大小さまざま)
2)優先順位をつける
3)重要なものから問題を解決していく
4)解決したら全体に最適化させる
5)次に重要な問題を解決していく
…といった流れで、改善・強化していく必要があります。

ここで大切なのは、思いつくままに問題箇所を決めつけたり、目先の手をつけやすいところから改善したりするのではなく、全体を俯瞰的に眺めて「最終的に解決すべき問題の本質」をしっかりと見定め、クリアしなくてはならない諸問題に優先順位をつけて確実につぶしていくことです。
なぜならマーケティングは、さまざまな活動が関わり合ってつながっているサイクル活動なので、弱い部分がボトルネックになって全体のパフォーマンスを低下させているケースが多いからです。

組織横断的に問題解決が図れる企業にとってはチャンスとなる

マーケティング活動に問題解決の考え方や手法を加えて理想形に近づくためには、上記のサイクルを繰り返していく必要があります。
しかしながら、やっかいなことに、企業におけるマーケティング活動では、マーケティングや広報担当だけでなく、商品開発、製造、営業から経営企画まで企業のさまざまな部門が関わっているので、「いちばんの問題」を特定しにくい、あるいは特定したとしても部門を越えて問題点を指摘すること自体がネックになっているケースがよくあります。

「この商品Xが売れないのは、商品開発力が競合に比べて弱いからだ。もっと市場ニーズに合致した商品を作ってほしい」と営業担当が言えば、商品担当は「営業部門からの指摘を受けて改善した商品X2が売れないのはどうしてだろう。販売力が弱いからではないのか?」と反論する。こうした応酬では、問題は永遠に解決しません。

逆に考えれば、セクショナリズムが強くアタマの固い企業は問題解決マーケティングを導入しにくいので、組織横断的にプロジェクトを組んで良好なコミュニケーションが図れる企業にとっては優位に立てるチャンスとなります。

問題を解決した先にどうなりたいのか、を突き詰めて考える

このシリーズのPart1で、マーケティングにおける問題解決とは「満たされていない現状と、理想形とのギャップを埋めること」であり、理想形に近づくためには最初にゴールの設定が重要だと述べました。なぜなら、「こうなりたい」や「こんなものがあったら」といったニーズの先に理想形=ゴールがあり、ゴールを明確化しなくては、現状と理想形のギャップを埋める方法も手順も思い描けないからです。

ここで気をつけなくてはいけないのは、ゴールにも初期ゴールや中間ゴールがあり、大きなテーマになるほど最終ゴール=理想形までの道のりが遠いということです。

このコラムのPart2で例として挙げましたが、「いままで順調に売れていた商品が、最近売れなくなってきた」のであれば、最初に思いつく問題は「商品が売れなくなってきたこと」です。その際に、目先だけでゴールを設定してしまうと答えは「売上を上げること」になります。
しかし、売上を上げることをゴールにした場合、解決策は「お買い得品を企画する」や「セールを打つ」といった短期的な値引きを中心としたセールスプロモーション活動になりがちで、これは中期的に負のスパイラルに陥るパターンです。

そこで、もう少し未来を見据えて、問題解決の理想形を「売れ続けるブランドを確立すること」とし、そのために具体的な目標を設定していったらどうでしょうか? 目先のキャンペーンやセールでは、一時の売上にはなったとしても根本的な解決策にはならないところに気づき、どこに問題の本質があるのかを起点に、その原因は何なのか、どうすれば解決していかれるのか… というふうに、より深く洞察するようになるでしょう。

「売れ続けるブランドになる」ためにはどうすればよいのか、とゴールから逆算して考えると、商品自体がもたらすベネフィットと独自性をより明確化する必要が生じます。従来の商品のテコ入れだけでは難しいと思われる場合には商品づくりから見直す等、より上位次元の、新たな解決策を見いだすことができるかもしれません。

このように、ゴールの設定では「問題を解決した先にどうなりたいのか」を俯瞰して見渡しながら、本質を突き詰めて考えることが重要であるといえます。

いかがでしょうか。今回のコラムでは、マーケティング活動における問題解決の方法について、以下のテーマでお話ししました。

  • ●マーケティング全体を俯瞰して最重要な問題箇所をクリアし、次の問題へ
  • ●組織横断的に問題解決が図れる企業にとってはチャンスとなる
  • ●問題を解決した先にどうなりたいのか、を突き詰めて考える
問題解決 お役立ちコラムとは

VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれる現代においては、想定外のことが次々に起こり、ビジネスの現場でも噴出する問題に対処しながら、仕事を進めていかなくてはなりません。
そうした際に発想のヒントとして少しでもお役に立てるよう、コミュニケーションデザインの最前線で35年以上戦っている筆者が、マーケティングに関わるさまざまな問題・課題の解決策についてまとめたコラムです。

監修 杉山 信一

エーディープラント株式会社 代表取締役、早稲田大学商学部卒、広告クリエイティブ業界歴35年以上、WEB業界歴10年以上。マーケティング&ブランディングコンサルタント、クリエイティブディレクター。