集客戦略ホームページPart 5
2026.5.13

2024年、ChatGPTが日本で普及し始めた際に、「これからの集客はSEOからAI対策に変わる」という予測が飛び交いました。それから約2年が経過した現在、その予測は現実のものとなりつつあります。当社でも、実際にクライアントのサイト運用におけるGoogle アナリティクスのデータを精査すると、ChatGPTやGeminiといった生成AIからの来訪が目に見えて増加しています。
これまでのWEB集客では、ユーザーが検索エンジンで自ら情報を探す「能動的な検索」が中心でしたが、現在は「AIに問いかけ、その回答を参考に動く」という新しい動線が確立されてきました。潜在顧客がAIに質問した際、その回答の中に自社のブランド名やサービス名が固有名詞として提示され、それをきっかけに検索や、直接サイトに至るパターンです。もはやデジタルマーケティングを語る上で、SEOとAI対策を切り離して考えることは不可能になったといえるでしょう。
Googleが導入した「AIO(AI Overviews=AIによる概要)」は、これまでの検索体験を変容させました。かつての検索は、「2つか3つの主要キーワード」を組み合わせるのが一般的でしたが、現在は「ビッグキーワードとロングテールのワードを数語以上組み合わせた、話し言葉のような文章」での検索が主流となっています。ユーザーはまるでAIと対話するように、具体的な悩みや疑問、知りたい情報について文章で入力するようになったのです。
この新しい検索スタイルは、SEOに大きな変化をもたらしました。検索結果の第1画面上部にAIOによる回答が表示されるため、ユーザーは各企業やサービスのサイトをクリックする前に、AIの概要だけで解決策を得てしまう「ゼロクリック検索」が増加しています。たとえ自然検索で上位を維持していても、AIOの出現によってCTR(クリック率)が低下しているという報告は、もはや避けて通れない事実です。私たちは「検索上位をキープする」以上の、新しい価値提供のあり方を考える必要に迫られています。
こうした変化の中で、「LLMO(大規模言語モデル最適化)」や「GEO(生成エンジン最適化)」といった概念が注目を集めています。これらは「SEOはもはや時代遅れである」ことを意味するのではなく、筆者はむしろSEOの考え方をさらに進化、拡張させるものであると捉えています。なぜなら、生成AIが回答の根拠として拾ってくる情報の多くは、「ドメインパワーが強く、信頼性が高い、ユーザーにとって有益なコンテンツ」だからです。
つまり、SEO的な評価が高いサイトは、AIからも信頼できるソースとして選ばれる可能性が高いというわけです。いま私たちが目指すべき方向は、SEOとAI対策を分けて捉えることではなく、次の3つの視点を統合することにあると考えています。
それは
です。これらを統合的に運用管理することが、これからのスタンダードになるでしょう。
これからのキーワード施策において最も重要なのは、検索ボリュームを追うことではなく、ターゲットが入力する言葉の背後にある「真の目的」を読み解くプロセスです。ボリュームの大きなワードを見つけるのは容易ですが、その語句を入力するユーザーがどのような状況にあり、何を解決したいのかという「インテント(検索意図)」を深く理解しなければ、AIに選ばれるコンテンツは作れません。
Googleは、この意図について、以下の4つに分類しています。

4つのフェーズに対し、ユーザーが投げかける「文章」を想定してみてください。
以下は「従来のキーワードの組合せ」から進化後の「文章」を想定する例です。
●情報収集~比較検討へ
従来:横浜駅周辺 ランチ 個室
進化後:横浜駅のまわりで女4人でゆっくりランチができる個室のある店を教えて
→誰と、どんなシチュエーションで行くのか、絞り込んだ問いに対応できるようページを作り込みます。
●比較検討~取引・購入へ
従来:横浜駅近 イタリアン おすすめ
進化後:横浜駅近くでパスタがおいしくてワインが充実していて会社の仲間と行ってもリーズナブルで評判のいい店を教えて
→購入意欲のあるユーザーの条件を満たし、自分の店の予約フォームに誘導できるようコンテンツを組み立てます。
その問いに対して、競合サイトよりも誠実で、具体的な回答を用意することが重要です。この「検索意図への深い理解」こそが、AIOや生成AIに引用されるためのポイントとなります。
従来ありがちだった単語の羅列ではない、「検索意図から導き出されるいくつかの文章の想定」と、その答えを満たす「質の高いコンテンツの制作」が、今まさに求められています。
集客戦略ホームページPart1 「SEOはじめの一歩」
集客戦略ホームページPart2 「SEOライティング」
集客戦略ホームページPart3 「SEOからコンバージョンへの連携術」
集客戦略ホームページPart4 「WEBブランディング」
でも解説していますので、併せてお読みいただけますと幸いです。
VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代と呼ばれる現代においては、想定外のことが次々に起こり、ビジネスの現場でも噴出する問題に対処しながら、仕事を進めていかなくてはなりません。
そうした際に発想のヒントとして少しでもお役に立てるよう、コミュニケーションデザインの最前線で35年以上戦っている筆者が、マーケティングに関わるさまざまな問題・課題の解決策についてまとめたコラムです。